日本の古くからの風習であり、夏が来るなあと季節を感じさせてくれると共に、改めて誰かに対する感謝の気持ちを持たせてくれるもの。それがお中元。
スーパーや百貨店に出かけると「お中元」の文字と夏らしいイラストが描かれたノボリがはためいていて、なんとも夏気分になりますね。
いつもお世話になっているあの人に、今年は何を送ろうかなあなんて考えながら、並べられたお中元商品を見ては自分がもらうわけじゃないのにワクワクしちゃう、夏が来るワクワクもあって余計に心が弾んじゃう♪なんてちょっと浮かれたところで、ふと気づくのです。
「ん?あの人、今喪中?」
そういえば、喪中の相手に対して、お中元って贈っていいのでしょうか。
相手が喪中の場合、お中元を贈っても良いの?
結論から言ってしまいましょう。喪中の相手にも、お中元は送ってOKです。
喪中の時にすべきでないことは、お祝い事です。
お中元はこれとは違い、年明けから中元までの半年間の感謝の気持ちを伝えるもので、夏の暑い盛りに、体調はいかがですか?などと相手の健康を気遣ったり願うような、季節の挨拶でもありますので、お祝い事とは意味が違います。
そのため、喪中のときでもお中元は送ってOKなのです。
喪中のお中元はOK、じゃあ忌中は・・・?
喪中にお中元を送ることや受け取ることは問題ないと書きましたが、これが「忌中」となると話が違います。
一般的に、亡くなってから四十九日間が忌中にあたると言われています。
なぜ忌中には送っていけないか、その理由はざっくり言えば「相手の気持ちを考えようね」これに尽きます。
四十九日が過ぎるまでは、遺族は何かと慌しいですし、悲しみが続いていて気持ちが落ち着かないものでしょう。そんな時にお中元を贈ってしまうと、本来感謝の気持ちを伝えるはずのお中元が、相手に負担を与えることにもなりかねません。
もちろん、そんなの気にしないよと言う人もいるでしょうし、習慣や風習は変わりつつあるものですので、過去に贈ってしまったことがある場合は、「間違ったことをしてしまった」と激しく悔やむものでもないと思います。
しかし、これから送ろうとしている場合は、ぜひこのことを忘れず、相手が忌中である場合は四十九日が過ぎるのを待ってからにしましょう。
喪中に送るお中元。のしや包装紙はどうする?
通常、お中元を贈る時は、紅白の超結びの水引きが入ったのし紙を付けて送ります。しかし、喪中のときは紅白はふさわしくありません。
ですので、その場合は水引きのついたのし紙は使いません。
代わりに何を使うかというと、白い無地の奉書紙か白い短冊に、御中元と表書きをしたものを付けます。
なお、送る時期がお中元の時期であればよいのですが、先方が忌中であり、時期をずらす場合にはお中元の言葉が使えない時期になることもあるでしょう。
その場合は、時期に応じて「暑中御見舞」や「残暑御見舞」にしてくださいね。
また、相手が目上の人の時は、「暑中御見舞」は「暑中御伺」に、「残暑御見舞」は「残暑御伺」になります。
これは、「お見舞い」としてしまうと、送る側が見舞う=送る側(あなた)が優位になる、ということですので、ご注意ください。
いろいろ考えることがあって難しいかもしれませんが、例えば百貨店などで送るものを購入する場合などは、このあたりについてしっかり知識をもった店員さんが対応してくれるでしょうから、安心してくださいね。
相手が喪中だとは知らなかった!・・・そんな場合はどうすれば?
喪中と知らずにお中元を紅白の水引きののし紙で送ってしまっても、実はあまり気にする必要はありません。
だからと言って「えっそうなの?なーんだ。じゃあどのみち最初から難しく考えることなかったなあ」とは思わないでくださいね。
基本的に、送ってしまっても問題はありませんが、可能であれば電話や手紙で、喪中と知らなかったことをお詫びできればよいと思います。
自分が喪中のときは、どうなるの?
贈る相手でなく、自分が喪中のときのお中元についても、おさえるポイントは先に説明したことと基本的に同じです。
- 喪中に送ることは問題ない
- 忌中である場合は、四十九日が過ぎてから送る
- お中元の時期とずれてしまう場合、時期に応じた言葉(暑中御見舞、など)を使う
- 紅白の水引きは使用せず、白い無地の奉書紙か白い短冊を使う
相手が喪中だと知らないことはあるかもしれませんが、自分が忌中だとわからないことはないですので、こちらは必ず守りましょう。
喪中の時のお中元 まとめ
とにもかくにもお中元は、相手に対する気持ちです。
もともとは「感謝の気持ち、健康を気遣う気持ち」を表すところですが、喪中の場合はさらに「相手を気遣う気持ち」を加えて送ることが大切かと思います。
送り状に一言なぐさめの言葉が添えられたりしていれば、受け取った相手の悲しみも少し癒えるかもしれません。
あなたの優しさが、喪中の相手に品物と一緒に届きますように、願っています。
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