お通夜に持っていく「お淋し見舞い」ってご存知ですか?
愛知県や東海地方の一部では、お通夜に「おさみしみまい、おさびしみまい」というものを持っていく習慣があるのです。
東海地方に嫁いだり、引っ越されたりした方は、馴染みのない言葉に戸惑ってしまいますよね。
そこで今回は、お通夜にもっていくお淋し見舞いとは何なのか、何を持っていけばいいのか?についてご説明していきます。
実際にわたしも経験したので、参考にしてみてくださいね!
お淋し見舞いとは何?
お淋し見舞いとは、愛知県の西部や、岐阜県の一部で行われている風習のことです。
他県から嫁いだり、引っ越されたりした方には、馴染みのない言葉なので、何なのかわかりませんよね。
他県でもお通夜に「お供え物」をもっていく風習はありますが、これは、故人に対して持って行くものです。
一方、お淋し見舞いとは、あなたが遺族に対して、持っていくものなのです。
文字通り、「残された遺族の方たちが、長い夜を過ごすお通夜の席で、淋しくないように」という想いから、始まった風習のようです。
お淋し見舞いには、こんな優しい想いが込められているのですね。
表記はお淋し見舞い?お寂し見舞い?
この「お淋し見舞い」ですが、いくつか違った表記を見かけることがあります。
「御淋見舞」 「お淋し見舞」 「御淋見舞い」 「お淋見舞い」
どれも使われていて、どれも正解です。
また、さみしいという漢字は「寂」もありますよね。こちらが使われていることもあります。
ただ、一般的に、「淋」という字ががよく使われていますので、「御淋見舞」としたほうが無難かもしれません。
読み方は、おさみしみまい、おさびしみまい、などがありますが、愛知県のわたしの親戚の葬儀では、「おさびしみまい」と呼ばれていました。
お淋し見舞いには何を持っていけばいい?
お淋し見舞いに持っていくものは、
- お供え
- 現金
です。
まんじゅうや果物など「お供え」として持っていくか、「現金」を包んでいくかになります。
お金の場合、これはお香典とは別になります。
お供えを持っていく場合のおすすめは?
お淋し見舞いとして「お供え」を持っていく場合は、具体的に何を持っていけばよいのでしょうか?
いくつかご紹介していきます。
お菓子
お淋し見舞いとして一番多いのが、和菓子です。
わたしが見たときは、和菓子(お饅頭系)がほとんどでした。
饅頭が主流ですが、特に決まりはありません。饅頭などの和菓子でもいいですし、小さなケーキなどの洋菓子でも構いません。
ただ、いずれの場合も袋で小分けにされている物にしましょう。余った場合、皆が鞄の中に入れて、持ち帰られるものがいいでしょう。
迷った場合は饅頭にするのが無難です。
缶コーヒー
缶コーヒーなどの飲み物を持って行かれる方もいます。
お菓子ばかりだと困ってしまうという気遣いなのでしょうね。
お知り合いの年長者の方がいる場合などは、一言確認して、何を持って行くか考えるといいかもしれませんね。
果物
お淋し見舞いに果物を持って行かれる方もいます。
果物の籠盛りが一般的です。こちらも皆で分けやすいものがいいでしょう。
お線香
お線香を持って行かれる方も多いです。
お線香だと、余って困ることもありませんね。良い香りのする少し高級なお線香を持って行くと、喜ばれることでしょう。
お酒
お酒を持って行かれる方もいます。
元々は遺族の方たちが、長い夜を過ごすお通夜の席で淋しくないように、というものなので、故人のことを語りながら、飲むお酒はピッタリなのでしょうね。
現金を持っていく場合
お淋し見舞いをお供え物でなく、現金でされる方もいます。
香典とは別物なので、お淋し見舞いと書いた別の封筒に入れて、持って行くようにしましょう。
お金の場合の金額の相場は?
お淋し見舞いの相場は、だいたい2千円~3千円くらいのようですが、5千円包まれる方もいるようです。
お菓子やお線香などの品物を持って行った場合を考えて、それに見合った金額を包むようにするといいですね。
弔事用の封筒に、薄墨で表書きを書き、水引の下の中央にあなたの氏名を書きます。
現金で渡す場合に、気を付けなければいけないのが、渡すタイミングです。現金ですから紛失してしまうと大変ですよね。
受付で香典を渡すときに、一緒にお淋し見舞いも渡すようにすると、間違いがなくていいでしょう。
香典との違いは?
お淋し見舞いをしたら、香典はしなくていいのかな?と迷ってしまいますよね。
でも、基本的に、お淋し見舞いと香典は別の物と考えられています。
お淋し見舞いは、遺族に対して持って行くものですが、一方、香典は、故人に対して、お花の代わりに金品を供えるという意味があります。
考え方が全然違うものなのですね。
それでもお淋し見舞いで迷う時は…
だいたいのことはわかりますが、やはり初めてのお淋し見舞いだと、失礼になったりしないか不安ですよね。
そんな時は
- 親族・友人に聞く
- 葬祭場に問い合わせる
- 現地の和菓子屋で聞く
といったことをしてみるのが一番おすすめです。
あなたが行くお通夜に、親族の方や友人はいませんか?いるのであれば、お淋し見舞いについて相談してみるといいですね。
また、通夜の行われる葬祭場に直接電話をしてみましょう。その地方のことに詳しいスタッフが助言をくれるはずです。
その他は、葬祭場近くの和菓子屋さんに行き、お寂し見舞いにふさわしいお供えの品を選んでもらうというのもおすすめです。
わたしは、葬儀のある地域にある和菓子屋さんに寄って、お店の人に選んでもらいました。のしもかけてもらえます。
現地のお店であれば、その土地のやりかたに詳しいので、間違いありません。安心です。
まとめ
「お淋し見舞い」なんて、愛知県や岐阜県の一部の地方だけのものなので、初めて聞く言葉に慌ててしまったことでしょう。
でも、「絶対にこれ!」という決まりごとはないので、固く考えなくても大丈夫です。
最近は、お淋し見舞いをするのも田舎の方だけになって、あまり見かけなくなっているのも事実です。
わたしも愛知県に親戚がいて、何度か葬儀にいったことがあります。
名古屋市内の親戚の場合は、お淋し見舞いを用意していない人がほとんどでした。でも、名古屋市近郊の少し田舎の方の親戚の時には、お淋し見舞いを持ってきた人が多かったです。
あなたが迷っている場合は、必要かどうかを、地元の知り合いの参列者に確認しておくといいですね。
残された遺族のことを想って始まった、優しい想いが込められた「お淋し見舞い」。
あなたからの、故人と遺族を想う優しい気持ちが伝わればいいですね。
詳細記事お淋し見舞いののしや封筒の書き方は?渡し方のマナーはある?
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